デュエリスト 二次覚醒 ストーリー Arad is my life

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デュエリスト 二次覚醒 ストーリー 











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彼に初めて会ったのはスジュ辺境の小さな村落だった。
古文書ならば価値が落ちている物でも高値で買いとる者がいるという噂を聞いて、ひたすら捜して3.4日ほどで彼と対面できた。 当時の私には価値があるほどの書物もなかったし、価値があるといってもその価値を把握できる能力もまたなかったが、夜間警備の仕事を始めた建物の文献保管所にて最もそれらしいのを何冊かくすねることができた。
当時は何よりも金が必要だった。 彼に名を尋ねるとすぐに彼は短く"デュランダル"と返事した。
人の名前にしては変だったし、身なりも長い期間による波風によって汚れていて、背中には布で丈夫にくくった非常に長い物(おそらく槍だろう。)など、怪しい点は一つ二つではなかったが、大転移後はこのような身なりの人間はたびたび見ることがあったし、私にとって重要なのは本の値打ちであったから、それぐらいのことは適当に無視することにした。

"ではこうしましょう。赤い本を五冊合わせて、これぐらいの金額を差し上げることができそうです。ただしこの青い文献は元の場所に戻しておかれるのがよろしいかと思います。"

つかみは良さそうだ。 その青いのは他の本と違って金庫に保管されていたもので、危険を冒して選任警備が寝ついた間に、鍵をくすねて得た苦労の一品だ。

"いやいや先生。私がここまで来るのになんと半月もかかったんですよ。私もまたそれなりの事情があってお探ししたんですよ?どうかよくお調べくださいませ。"

誇張を混ぜたが、本をくすねた時点で元に戻すことはできないし、なにより彼を焦らせたらどの程度の金額を得ることができるのか気になり、棍棒で殴られるような鼓動を心臓から感じた。

"…これはさっきの物の十倍の値段でも足りません。 どこで得られたのかは知りませんが、今後大変な思いをされないようお気をつけください。"

私は快諾して彼からお金をもらい、あらかじめ計画しておいた過程に急いだ。 そしてその結果。

"も…う…走れないですパパ…"

私と娘は、帝国と彼らが雇用した追撃隊に追われる身となっていた。
森の道で体を隠したり、夢中で走りまくってからいつの間にか一週間が過ぎていたようだ。
用意しておいた食糧や物品もすでに底をついて随分経つ。あの男が最後に言っていた警告を思い出したがすでに手遅れだった。
再び帝国騎士の馬の蹄の音が聞こえてきた。
恐らく帝国騎士は森の中での行動にかなりの不便を感じるようだ。 問題は彼らが雇用した仮面の男2人だった。
警備の仕事をしていた当時も見たことがある者たちで、彼らが外から帰ってくるたびに建物の倉庫には色々な物や連れられてきて監禁される人々が増えていっていた。
彼らはあらゆる依頼をこなす一種の専門家、兼何でも屋で帝国の建物管理者は彼らを猟犬と呼んだりしていた。
結局、日が沈む頃についに私たちの居場所がばれた。 馬の蹄の音が聞こえる範囲から抜け出たと思ったが、巨大な枯れ木の左右の枝の上に登っていた仮面の2人組に見つかったのだ。

仮面のせいなのか、ここで死ぬのを悟ったかのような声が出た。

"娘のためにお金が必要だったんです。どうか…命だけは…"

精一杯話してみたが、彼らはお互いをしばらく見つめた後、それぞれ腕から短剣を取り出した。
娘のために体を投げ出すべきだったのに、足が動かなかった。 仮面の男が手を振るい、一つの短剣が空気を裂いて飛んできた。恐怖で真っ青になった娘の表情と飛んでくる短剣が鮮明に見えたのに、それでもからだは動かなかった。
受け入れられない光景に目を閉じようとした瞬間、一週間前に会ったあの男が突然現れたように見えた。
そして彼の手に持つ槍は飛んでくる短剣の軌道を変え、すでに遠くへやったようだった。
どういうことなのかはっきり分からなかったが、娘だけは無事に助かる気がした。
私はまもなく自分の体に激痛が来ると思い、娘に残す最後の言葉を考えていた。 しかし数秒経っても、私に飛んでくる短剣はどこからも感じられなかった。

"だから警告したのですが…"

声が聞こえた方向は、娘ではない私の真ん前だった。頭を上げると槍の先が視界に入った。
再び娘を見るとすぐに娘の前へ立ったあの男の姿は、あたかも霧が歩くように徐々に散っていった。
仮面の2人組はしばらくギョッとしたようだったが、すぐに数十個もの暗器を投げやると同時に迫ってきた。
男が槍を動かすと、人が押し出されるほどの強力な風圧と共に私の前に来る暗器が全部飛んでいったように見えた。
そして突風を起こした彼の槍は、同時に別の回転を起こして娘側の暗器も全部はねていった。
四方に飛散する金属破片に驚いた瞬間、娘に迫って来た仮面の男がすでに槍に貫かれたままうなだれる姿が私の目に映った。
私の方に迫ってきた者も私の視界に入った時にはすでに体に十数個もの血痕を残したままズルズルと崩れ落ちていった。
そして私にはあの一連の動作は、三,四個の攻撃と防御が全く同じ時間に起きたことのように感じられた。

"帝国は公式上は民間人にまでは手出ししません。 ただし今後はあのような暗殺者に追われることはあるでしょう。"

私はただ夢中に首を縦に振って、彼が書いてくれたどこかの場所へ娘とともに逃げるように流れて入った。
後になって聞いた話だが、彼は帝国闘技場出身の放浪者で転移現象に対して研究する武人集団に所属する人物だった。
彼らは彼らの活動によって色々な団体と対立しているようだったし、
私が生き残ることができたのも、もしかしたら私がちょうどその男と対立関係である敵たちに見つかったからではないかというものだ。
しかし私が彼に売り払った文献の内容を見るに、彼が相手にする敵はそれだけではないように見えた。
私では理解できない、より強大な敵が彼の前を遮っているという気がした。
文献を売って彼から得たお金はいつか利子をつけて返すつもりだ。
なぜかそのように決心しなければ、自身を古代武具の名前で名乗る正体不明の男と再見するには難しいような気がしたからだ。
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( 2016/03/21 15:50 )


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